[1999.08.28]
  シロカニペ ランラン ピシカン…


 ▼ネットやパソコンでアイヌ語使用が可能に(asahi.com)
  http://www.asahi.com/0826/news/national26023.html


 シロカニペ ランラン ピカン, コンカニペ ランラン ピカン。ワイヤードがすべての情報を保存することを目的としているのなら,表記できないこの言葉に,悔しさの涙がにじみ出る。

 日本工業規格(JIS)の新しい文字コードを検討してきた日本規格協会の符号化文字集合調査研究委員会が,アイヌ語の表記に必要な20字を含む最終案をまとめ,インターネット上で公開した。アイヌ語の表記に使われる文字は,小文字の「ク・シ・ス・ト・ヌ・ハ・ヒ・フ・ヘ・ホ・プ・ム・ラ・リ・ル・レ・ロ」と、半濁点が付いた「セ・ト・ツ」。これにより,アイヌ語の活字化が楽になり,普及を助けるとみられている。

 上記の「シロカニペ…」というのは,19歳で死したアイヌの知里幸恵がまとめた『アイヌ神謡集』の中の一節。日本語訳では,「銀の滴降る降るまわりに,金の滴降る降るまわりに」となる。文庫本では,アルファベットと日本語訳が対になっている。アルファベットにしたのは,カタカナ表記では,表現できない音があったからだろう。上記の一節でも「ピシカン」の「シ」は,実際は小文字の「シ」の音となる。もちろん意味なんてまったくわからないのだが,アルファベットの音を読むと,純粋にその音の美しさが,神謡としての意味をもって,心に響く。

 今回の最終案について,使う機会の少ないアイヌ語の表記などより,黒丸などの記号や丸英字などを入れるべきだという論議がある。だが…。ワイヤードは,距離的感覚を感じることなく,地球上のすべての文字情報を保存し,アクセスを共有するのを第一目的としている。現在のブラウザも,対応文字コードには幾多の言語が存在する。そしてそのコードは,_言語の数だけ_存在しなくてはいけない。アイヌ語をワイヤードがサポートすることは,すべてのアイヌの伝承文化を共有できることを意味する。それが,黒丸なんかを増やすことよりもよっぽど意味を持つことは,子供でも気付くことだろうになぁ。


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